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春彼岸号2016.03.02
震災5年を迎え
寒さもようやく緩み、一雨ごとに春めいて参りました。
龍性院檀信徒の皆様方におかれましては、益々ご健勝の事とお慶びを申し上げます。
また、常日頃より當山護持のため格段のご信援を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、今年も春のお彼岸の季節が近づいて参りました。
ついこの前、平成28年の新年を迎えたばかりの気も致しますが、あっという間ですね。
あっという間といえば、今年は東日本大震災が発生してから、丸5年の節目でもあります。
被災地は未だ復興道半ばであり、被災された皆様のご心痛を察すると言葉もみつかりません。
被災をされました方には謹んでお見舞いを申し上げます。
私は現在、智山青年連合会という若手僧侶が属する団体の事務局の仕事を致しております。
この智山青年連合会の活動を通じ、東日本大震災が発生して以降、毎年3月11日には被災地の海岸や御寺院様に赴き、亡くなった方々の慰霊をさせて頂いております。
そうした活動に於いて、被災地の方ともお話をする機会を頂きます。
そこで会話をした方が仰るには、被災地の事を忘れ去られてしまうのが何より悲しいし、寂しいというものでした。
だから、全国の方が思いを寄せてくれるだけでも、本当に有り難いんだと話して下さいました。
震災発生直後には大勢いたボランティアも、現在は人手が足りなくなっているという報道も目に致します。
人は忘れる事ができるから生きていけると言います。確かに一理あると思います。
しかし、私たちはまだ忘れてはいけないと思うのです。辛く悲しい思いをされた被災地の皆様の心の傷が癒えるまでは・・・。
間もなく春のお彼岸です。
是非、ご家族皆でお墓参りに出かけ、亡き人を忘れずご先祖さまに思いを馳せて下さい。
皆様のご健勝と、被災地の1日も早い復興を至心にご祈念申し上げます。