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案内
埼玉県比企郡吉見町にある龍性院は今から400年以上の歴史を有する寺院です。 境内に入ると左手に小さな池があり、運上昇、諸芸上達、願い事全般に ご利益のある弁財天(弁天様)が奉られています。
弁財天には蓄財や商売繁盛を祈願するため、 毎年多くの方々がお参りに訪れています。
弁財天は、弁天様とも呼ばれており、七福神の中の紅一点として有名です。 もともとはインドの神様サラスバティという名で、 サラスは「水」、バティは「富む」を表しており、 川、池、湖など、水を神格化したものだと言われています。 そのため多くの弁財天は、水の近くに奉られているのです。
この弁財天は、蓄財の神様としてよく知られています。 これは、江戸時代の文化文政時代(1804年~1830年)に七福神を参詣する 七福神詣が流行し、弁財天にお参りしお札をもらうと財産を得ることが出来ると宣伝されたことがきっかけです。
そのため弁財天の「財」はもともとは才能の「才」であったものが、 財産の「財」を書かれるようになったと言われています。
また、弁財天が琵琶を奏でるその優雅な姿から音楽の神様としても知られており、 諸芸上達や習いごと祈願にも大変ご利益があると言われ、女性からも人気の願いごとスポットです。
境内の小さな階段を上った先には、学問の神様として有名な天神様(菅原道真公)が奉られています。
菅原道真公は大変頭が良く、平安時代に政治家・学者・歌人として名を馳せた方です。 ですが、藤原時平の讒言によって大宰府に流罪となってしまいました。 没後天変地異や疫病が多く起こり、さらに平安京に落雷が続いたのは菅原道真公の怨霊の祟りだとされていました。
そこで道真の霊の怒りを鎮めるために人々は雷の神、すなわち天の神様として祀ることにしました。 この時に天満天神の号が与えられたのです。
龍性院の本堂の中には薬師如来が奉られています。
その名前の通り病気を直し、安楽を与える仏様として有名です。 そのため仏像も薬壺を持っているのが多く見られます。
また、龍性院の薬師如来は「中武蔵七十二薬師」に選ばれており、参拝の方も多く訪れます。
龍性院の本堂の中には御本尊の不動明王が奉られています。 梵語名のアチャラ・ナータの意味は「揺るぎなき守護者」であり、これから不動明王と呼ばれました。 真言宗の教主「大日如来」の成り代わったお姿と言われています。
不動明王は私達の心の迷い・煩悩を祓うために恐ろしい姿をされ、 仏法に従わない者を教え諭し、仏法に敵対する事を力ずくで止めさせ救済するという役目を持っておられます。
そのお姿は忿怒の形相をし、右手に降魔の三鈷剣を持ち左手に羂索と呼ばれる縄を持つ 大変恐ろしい姿をしておられますが、そのお心は私達を救済しようとする厳しくも優しい慈悲に満ち溢れております。