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お盆号2018.07.10
〝慈悲〟の心
厳しい暑さが連日の様に続いております。
関東地方では6月29日に梅雨明けとなり、統計開始以来、最も早い梅雨明けとなりました。
気象庁の3か月予報でも、7~9月は全国的に気温が高めとの発表がありました。
まだ7月前半、9月まで暑いとなると先が思いやられますが、檀信徒の皆様は体調を崩されたりしておられませんか?
何卒御自愛いただき、暑いと言われるこの夏もお元気にお過ごし下さいます様、ご祈念いたします。
上記の通り、関東地方では平年より20日以上早い梅雨明けに加え、このまま猛暑が続くと水不足に陥る可能性も指摘されております。
しかし一方、西日本では未曾有の大豪雨により、河川の氾濫や土砂災害等が相次ぎ、報道によれば全国で126名が死亡(平成30年7月9日現在)、また未だ多くの行方不明者がおり、懸命の捜索が続けられております。
今回の豪雨災害でお亡くなりになった方のご冥福を至心にお祈りすると共に、行方不明者が無事に救出されます様、心から願っております。
日本は災害大国であると、よく言われます。
龍性院だよりでも、自然災害のニュースを取り上げることが多いと実感いたします。
一般財団法人国土技術研究センターによれば、世界に於いて、日本の国土面積は0.28パーセントに過ぎないが、全世界で起こったマグニチュード6以上の20.5パーセントが日本で起き、全世界の活火山の7パーセントが日本にあるそうです。
加えて、四季のある気候から、豪雨や落雷、豪雪等、多くの自然災害に見舞われるのだと思われます。
しかし、そのような厳しい自然環境に身を置いてきた私たちのご先祖様は、人と人が支え合う助け合いの精神を育んで参りました。
今でも、災害等が発生すれば、多くのボランティアが被災地に赴き、復旧作業や、炊き出しを行ったりして、被災をされた方に一生懸命寄り添う姿を報道で目にします。
外国で起きた災害等に関しても、日本同様に心を寄せる方が多いなと感じます。
仏教には〝慈悲〟という言葉があります。
慈悲とは、仏さまが人々の苦しみを取り除き、楽を与えることを言います。
この慈悲の心は、自分にとって親しい方にのみ持つものではなく、すべての方の苦しみを自らの苦しみとして理解し、その苦しみを癒すものです。
また、救うものと救われるものにも上下の関係はなく、同じ高さにあるもの同士の心の働きによって生ずるものです。
自然災害の多い日本人にとっては、災害で苦しむ人の姿はもはや他人ごとではなく、いつ自らに襲い掛かるかもしれないことだったのです。
ゆえに、その苦しみに同感し、別け隔てなく苦しんでいる方の力になりたいと、素直に思うことができるのではないかと思います。
世界にも、慈悲の心を持った方が、たくさんいらっしゃいます。
人々の苦しみを我がことと考え、救い救われる世がますます広がりをみせる様、切に願っております。