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正月号2017.01.01
新年のご挨拶
平成28年もあっという間に過ぎ去り、新年が始まります。
龍性院檀信徒の皆様方におかれましては、平成29年の新しい年をご家族ご一同様でご無事にお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。
昨年中に皆様方に賜りましたご厚情に対しまして、心よりお礼を申し上げます。
また、今年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、ここ数年の龍性院だより正月号では、まず昨年一年間に起きた出来事等を振り返り、お話をさせて頂いておりますので、今回もそのようにさせて頂きたいと存じます。
昨年を振り返りますと、国内では4月14月に熊本県、大分県を中心に最大震度7の非常に大きな地震が発生し、2日後には本震とされる揺れを観測。
以降、大きな余震が続き、この地震での直接死者数は50名、避難生活からくるストレスや病気でなくなった関連死の方を含めると、100名以上の尊い人命が失われました。
また、8月に相次いで発生した台風により、とりわけ北海道や岩手県は甚大な被害にみまわれました。
北海道に3つの台風が上陸したこと、東北地方太平洋側に台風が上陸したことは、気象庁が1951年に統計を開始して以来、初めてのことだそうです。
この豪雨に伴い住居への浸水被害、河川の氾濫、土砂災害が発生し、岩手県、北海道等で20名近くの方が亡くなられました。
改めまして、被災をされました方々に心よりお見舞い申し上げ、お亡くなりになられました皆様のご冥福をお祈りいたします。
日本はもともと自然災害の多い国と言われます。
全世界の中で日本の国土が占める割合は、わずか0.3%弱ですが、全世界で発生しているマグニチュード6以上の地震の20%以上が日本で起こっているそうです。
それに関連して、活火山も多いわけですから、全国大体どこに行っても温泉が涌き出ていたり、最近ではクリーンエネルギーとして地熱発電が注目をされていますが、これも活火山があるお陰さまでもあるのです。
確かに地震というデメリットはありますが、少なからずメリットも享受をしているわけです。
私たちは、自然の中で、自然の恵みを頂いて生かされています。
なので、自然が無くなれば当然生きていくことはできません。
自然が無ければ生きていけない私たち人間が、自然の営みの中で発生する自然災害からのみ逃れることは無理なのかもしれません。
ですから、逃れられない災害から少しでも身を守る備えは必要ですし、備えていても不幸にもお亡くなりになってしまう方がいることは、遺憾にたえません。
不幸にも亡くなってしまった方を鎮魂する、それが私たち生きている者にできることです。
しかし、自然災害が起こるからと言って、自然を悪だと思うべきではないと思います。
物事には〝裏〟と〝表〟があります。先ほど申し上げましたように、生き物は自然によって殺されてしまう事もありますが、
普段は自然に恵みを頂き生かさせてもらっているのです。私たちは何かあると、物事の悪い方を印象深く残してしまいがちですが、何事も良い部分もあれば悪い部分もあるのです。
それが私たちの生きている〝世界〟なのです。
物事の良い部分は、とかく陰に隠れて見えにくいものです。
しかし、何事にも、どんな方にでもある〝お陰さま〟を常に見つける正しい眼を持つことができれば、今までより清々しい世界が開けるのではないかと思います。
年頭に当たり、皆さまのご健勝、ご多幸をせつにお祈りいたします。