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正月号2021.01.01
新年のご挨拶
龍性院檀信徒の皆様方におかれましては、令和3年の新しい年をご家族ご一同様でご無事にお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。また、昨年中に皆様方に賜りましたご厚情に対しまして、心よりお礼を申し上げます。本年も、當山護持・発展の為一生懸命尽力して参りますので、ご信援を頂きます様、よろしくお願い致します。
昨年を一言で振り返ると“コロナ禍”での一年間であったと、どなたに聞いても仰られるのではないでしょうか?ニューノーマルとか新しい生活様式という言葉のもと、文字通り私たちの生活は一変し、私などはまだまだその新たな環境に慣れないところもございますが、もう新たな環境にすっかり順応されている方も一方ではいっらしゃると思います。
国があれだけ「働き方改革」とスローガンを掲げ、多様な働き方を選択する社会の実現を目指していながら中々前進できなかったのに、コロナ禍になりその改革が一気に前進したのは皮肉なことであります。
さて令和2年の『2020 ユーキャン新語・流行語大賞』の年間大賞に「3密」が選ばれました。この「3密」とは、もう皆様良くご存知の“密閉”“密集”“密接”を指す言葉です。新型コロナウイルス感染症対策として、厚生労働省や総理官邸が打ち出した標語としてもすっかり有名になりました。
実はこの「3密」と全く同じ『三密』という用語が仏教(密教)にあります。三密とは、“身密(手に印を結び)”“口密(口で真言を唱え)”“意密(心に仏さまを感じる)”のことで、この『三密』を実践すると、私たちは“この身このまま”仏さまになることができると弘法大師は説いていらっしゃいます。
こう聞くと少し難しいと思われるかもしれませんが、この『三密』を現代社会に応じて考えるなら、“身密(自分の行いを正す)”“口密(自分の言動を正す)”“意密(自分の心を正す)”を実践しようということです。かなり分かりやすくなりませんか?
自分勝手な行動は慎んで、大切なものを見極め守るために行動すること。
他人を傷つける言動を控え、積極的に人に感謝の気持ちを伝えること。
人を思いやり周囲に惑わされず、ありのままの自分の心を見つめること。
「3密」を避け『三密』を実践することは、大切な人を守り、社会を安定させ、ひいては自分の人生を豊かにすることに繋がるものだと思います。
コロナ禍の今だからこそ、二つの《さんみつ》を是非心に留めていきたいですね。
令和3年が、檀信徒皆様にとって幸多き年となります様、ご祈念申し上げご挨拶と致します。