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正月号2015.01.01
新年のご挨拶
新年明けましておめでとうございます。
龍性院檀信徒の皆様方におかれましては、平成27年の新しい年をご家族ご一同様でご無事にお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。
また、昨年中に皆様方に賜りましたご厚情に対しまして、心よりお礼を申し上げます。
昨年1年を振り返りますと、2月に関東地方を襲った豪雪に始まり、夏には豪雨に伴う広島の土砂災害、9月には御嶽山の噴火、11月には長野県北部を中心に最大深度6弱を観測する地震が発生する等、日本は多くの自然災害にみまわれ、全国各地に甚大な被害をもたらしました。
しかし、悲しいことではありますが、このような災害は日本だけに止まらず、世界各地でも多数発生をし、多くの方々を苦しめる一因となっています。
過去の龍性院だよりでも申し上げましたが、仏教における自然観は、人間が自然を支配する、従属させるというものではなく、自然と共生する生き方を目指すものです。
言うまでもなく、このような悲惨な災害が無いに越したことはございません。
しかしながら、いつもは大いなる恵みを与えてくれるも、時には牙をもむくこの〝自然〟に、私たちが生かされているのは、厳然たる事実なのです。
〝自然〟とは元来、地球上のすべての生物に恵みを与えてくれる有り難いものではあるが、時には恐ろしい一面もあるとしっかりと認識をし、災害に対してできる限りの備えを致すことで、自然との共生を図っていくほか、道は無いのだと思います。
そして、そうした災害によって奪われてしまった尊い命が、少しでも安らかなるようにと鎮魂の祈りを捧げ、残された方々に寄り添い、再び前を向いて歩めるようお手伝いをしていくことが何より重要ではないかと、私は思います。
さて、昨年は災害が続いた日本ではございましたが、このような苦しい状況の中にも、一筋の光明をみた気が致しました。
8月に広島市で土砂災害が発生した折、東日本大震災の時に広島の方々に良く援助をして頂いたからとの理由で、東北地方から多くのボランティア団体が広島へ駆けつけ、救助に務めて下さったそうです。
ニュースを見ていると、凶悪犯罪が後を絶たないように思えるこの日本ですが、奪い奪い合うのではなく、施し施し合う仏さまの心が、まだまだ多くの人の心に根付いているのかなあと、少しだけ温かい気持ちになりました。
こういった施し合う仏さまの心を、私たちも見習い実践していきたいものです。
1月1日の早朝には、『今年1年が、生きとし生ける皆にとって安らかな年となりますように…』とご本尊不動明王さまにご祈念を申し上げたいと存じます。
年頭に当たり、皆さまのご健勝、ご多幸をせつにお祈りいたします。